北朝鮮から木造船漂着…ただの迷惑者に思われるかもしれないが…
最近日本海岸に漂着する北朝鮮(からと見られる)木造船のニュースを
よく耳にします。
主に漁をしていて偶然漂着する場合が多いでしょうが、
その背景を深く探るほど偶然でもないと思われて
北朝鮮住民たちがかわいそうです。
「窃盗」をしたことで逮捕され、
日本人の皆さんからすれば、
迷惑者に見えるのも仕方ないなと思います。
「ほっとした」と胸をなで下ろす地元漁民
乗員によって荒らされたまま。年明けの漁が始まるまでに復旧が間に合うのか
漁に使う道具だけでも返してほしい
地元漁民からこんな声が上がるのも納得。
しかし、北朝鮮船の漂着の背景を考えてみれば、
住民たちもこんな危険な状態に追い込まれていることがわかります。
慢性的な食糧不足が続く北朝鮮は国際社会の経済制裁が強まる中「冬季漁獲戦闘」と称して漁業を奨励。簡素で老朽化した木造船で日本海の排他的経済水域(EEZ)にある「大和堆(やまとたい)」周辺などに繰り出し、荒波の中で操業を続けていることが背景にあるとみられる。
このグラフを見れば
毎年、寒くなる10月11月あたりから漂着の件数が多く、
今年はその件数が顕著です。
冬になると食糧状況がよりひどくなり、
住民たちに求められる漁獲量が増えるからじゃないでしょうか。
しかもこんな古くて弱い小さな木造船で
荒い冬の海へ駆り出される…そんな状況じゃないかと想像しています。
漂着して見つかった木造船にはたいてい、
生きている人間なおらず、遺体のまま。
何ヶ月も海を漂っていたのか白骨化がかなり進んでいる場合もしばしばあるそうです。
生きていたとしても、
泥棒をしたり、難民扱いされたり。。。
場合によっては工作員であると疑う人もいるらしいです。
先日の窃盗で逮捕された北朝鮮人たちは
日本当局から捜査を受けることになり、
窃盗は確かな犯罪で相応する処分をすべきですが、
それとは別に私が彼らのことを多少かわいそうに思う理由は、
彼らも、こんな複雑でややこしいことに巻き込まれる人生なんか
望んでいないはず。。。
小さな船で暗い冬の海を漂うまま人生を終えたくなかったはず。。。
そこなんです。。。